英国のEUからの離脱

23日、EU(欧州連合)からの離脱か残留かを決める国民投票が英国で行われましたね。結果は離脱派の勝利に終わりました。この大ビッグニュースを受けて24日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価が600ドル以上急落するなど、世界経済に動揺が広がり、経済の先行きは不透明になりました。日本でも政府日銀首脳が緊急の会合を開くなどして対応に多忙です。この事態はキャメロン首相も予想はしていなかったのでしょう。この辺がイギリスの国民性を感じさせます。イギリス人は「右向け右」の付和雷同型を好まないといいます。日本人は「右向け右」で右を向くと思います。

英国がEUに加盟したのは1973年にエドワード・ヒース政権下でした。1970年代後半には欧州為替相場メカニズム(ERM)への加入をドイツの策略だとして、一旦見送る。1990年にはマーガレット・サッチャー政権下でERMに加入する。サッチャー自身はERM加盟には強く反対していたが、後の首相ジョン・メージャーのような側近の圧力におされる形であった。1992年デンマークがマーストリヒ条約(欧州連合の創設を定めた条約)の批准を国民投票で否決。英国内では批准をめぐって保守党で内乱。同じ年の秋にはには「ブラック・ウェンズデー」(ポンド危機)があり、英国はERMから離脱。などとEUの中で不安定な動きをしていましたね。イギリスは島国ですから、ヨーロッパとの関係は、見ようによっては日本と中国の関係に似ているような気がしますが、全然違うでしょうか。しかしこの辺の政治情勢は興味深いですね。