伊勢志摩サミット

26・27日の2日、三重県志摩市の賢島で開かれていた伊勢志摩サミットが閉幕しました。日本では8年ぶりの開催でした。どのようなことが決議されたのでしょうか、まとめてみました。

今回のサミットで最大のテーマとなった世界経済の現状については「世界経済の回復は続いているが、成長は引き続き、緩やかでばらつきがあり、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきている」と指摘し、「新たな危機に陥ることを回避するため、すべての政策対応を行うことにより、現在の経済状況に対応するための努力を強化する」としています。

「海洋安全保障」の分野では、海洋進出の動きを強めている中国を念頭に、「緊張を高め得る一方的な行動の自制や、紛争解決には、仲裁手続きを含む平和的手段を追求すべきことの重要性を再確認する」とし、「東シナ海南シナ海における状況を懸念し、紛争の平和的解決の根本的な重要性を強調する」平和的解決の重要性を強調しています。

北朝鮮による核実験や弾道ミサイルの発射について、「最も強い表現で非難する」として、北朝鮮に対し、今後いかなる挑発行動も行わないよう要求しています。そして、国際社会に対し、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行するよう呼びかけています。また、拉致問題について、北朝鮮に直ちに対処するよう強く求めています。

サミットは、1970年代に入り、ニクソン・ショック(ドルの切り下げ)や第1次石油危機などの諸問題に直面した先進国の間で、世界経済問題(マクロ経済、通貨、貿易、エネルギーなど)に対する政策協調について首脳レベルで総合的に議論する場が必要であるとの認識が生まれました。

このような背景の下、ジスカール・デスタン仏大統領(当時)の提案により、1975年11月、パリ郊外のランブイエ城において、日、米、英、仏、独、伊の6か国による第1回首脳会議が開催されました。

1975年のランブイエ首脳会議の結果、世界経済問題に対応するために先進国の首脳が集まって政策協調のための議論の場を持つことの重要性が認識され、各国が持ち回りで議長国を務めつつ毎年首脳が集まって会合をもつことになりました。こうしてサミットは始まりました。

日本で開かれるのは6回目。1979年、1986年、1993年、2000年、2008年、20016年です。