2023年「歌会始の儀」の入選者の歌

今日は1月19日、東京は雲が多いが時々晴れ間ものぞくといった天候。気温は8度。

18日皇居で今年の「歌会始の儀」が行われました。ことしの「歌会始」のお題は「友」で、全国と海外から1万5000首余りの短歌が寄せられました。次の10人の方の作品が入選されました。

最年少は14歳、最年長は73歳。

岡山県 藤井正子さん(73)

温もりの残る手袋渡されて君は友より夫(をつと)となりぬ

熊本県 三浦清美さん(63)

卒論は梶井だつたね君だけが四十二歳(しじふにさい)のままなる友よ

◎東京都 久和(きゅうわ)鏡子さん(62)

キスゲ咲く尾瀬の木道友の背のリズムで歩くすこし離れて

新潟県 相川澄子さん(61)

はゐないんだよと言ふ君の瞳の中にわたしを探す

◎神奈川県 岩田真治さん(55)

でもできるでもなくそこにゐたあなたをわたしは友とよんでる

茨城県 芳山三喜雄さん(50)

ともだちを友人と呼ぶやうになり子は就活をほどなく終へる

島根県 㯃(うるし)松友香さん(40)

「母さんも友だちできた?」と小一の吾子(あこ)に問はれし仕事の初日

京都府 丹羽紗矢香さん(36)

友といふ言葉を知らぬ一歳が泣いてゐる子の頭を撫(な)でる

◎東京都 吉田直子さん(26)

みづいろの絵の具ばかりを借りにきた友の見てゐた空を知りたい

山梨県 小宮山碧生(あおい)さん(14)

友の呼ぶ僕のあだ名はわるくない他のやつには呼ばせないけど