2023年「歌会始の儀」、皇族方のお歌

今日は1月18日、東京は晴れです。気温は12度。

今年の「新年歌会始の儀」が、8日皇居で行われました。天皇皇后さまのお歌は別のブログで書いたので、、ここでは皇族方お歌を紹介したいと思います。

《皇族方のお歌》

秋篠宮さま】

彼方此方(をちこち)を友らと共に行巡(ゆきめぐ)り聞き初(そ)めしことに喜びありぬ
秋篠宮さまは、高校生の頃から十数年前まで、いろいろな場所を知り合いの方々と訪ねて回られました。特に総合研究大学院大学のプロジェクトに参加していた時は、秋篠宮さまを含む参加者が訪問先の地元の人たちにさまざまな質問をし、そこから得られる答えに新鮮さと心弾むような気持ちを覚えられたそうです。そのような思い出を詠まれました。

秋篠宮紀子さま

春楡(はるにれ)の卓の木目を囲みつつ友らと語る旅の思ひ出
紀子さまは、去年の春、友人たちに誘われて出かける機会があり、その折に、ハルニレの木目を生かした温かみが感じられる大きな卓を囲み、さまざまな旅の思い出を語り合われました。感染症対策をしながら、久しぶりに一緒に座って語り合うことができたことに感謝し、この歌を詠まれました。

愛子さま

もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路
この歌は、愛子さまが去年の秋、お住まいのある皇居の吹上の庭を散策し、散ったもみじの葉に覆われた道を歩いた際に、かつて友人と一緒にもみじの葉を踏みしめながら歩いた学校の帰り道を思い出し、その友人のことを懐かしく思った気持ちを詠まれたものです。

秋篠宮家 佳子さま】

卒業式に友と撮りたる記念写真裏に書かれし想ひは今に
佳子さまは、高校の卒業式の日に友人2人と写真を撮られました。後日、友人が印刷した写真の裏にメッセージを書いて渡してくれ、その想いが3人の中で今も続いていると感じられたことを歌に詠まれました。
常陸宮妃華子さま】

友よりの封書に貼られし海外の風土の切手をルーペに見入る

三笠宮寬仁親王妃信子さま】

老犬を悼(いた)む思ひが友からの賜(た)びし子犬の声(こゑ)に救はる
信子さまは、去年、長年可愛がってきた愛犬が旅立ち、深い悲しみの中で日々を過ごしていましたが、友人たちの配慮で新しい命と出会われました。その子犬は信子さまに「モモ」と名付けられ、今では元気に遊び回っています。天国に旅立った愛犬と過ごした記憶と悼む思いが、子犬の元気な声によって少しずつ良い思い出に変わりつつある心境を詠まれました。

三笠宮家 彬子さま】
器からこぼれてしまつた言の葉を静かにつむぐ友の横顔
一人でいろいろなものを背負って走り続けてきた友人が、その重さとつらさについてぽつりぽつりと打ち明けてくれる横顔を見ながら、「少しでもその荷を軽くする手助けが私にできたらいいな」と思った夜のことを詠まれました。


高円宮妃久子さま】

紅葉(もみぢ)する木より聞こゆる鳥のこゑ黒姫の森を友と歩めば
未来のために森を守り、長野県の黒姫の地に生物多様性豊かなアファンの森をよみがえらせた三十年来の友人、故C.W.ニコル氏との思い出を詠まれました。


高円宮家 承子さま】

厳かに巫女の舞ひたる倭舞ひ外つ国の友と我ながめをり
コロナ禍前、久子さまと一緒に、外国から訪れた友人家族を明治神宮へ案内した時のことを懐かしく思い出し、詠まれました。

コロナ禍前、久子さまと一緒に、外国から訪れた友人家族を明治神宮へ案内した時のことを懐かしく思い出し、詠まれました。